認知症月間介護する側される側 「認知症がやってきた!」「認知症の私は記憶より記録」Book

認知症月間介護する側される側 「認知症がやってきた!」「認知症の私は記憶より記録」Book

9月21日は、「世界アルツハイマーデー」

そして9月は「世界アルツハイマー月間」と制定されています。

1994年「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定し、この日を中心に認知症の啓蒙を実施しています。また、9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、様々な取り組みを行っています。
わが国でも公益社団法人「認知症の人と家族の会」がポスターやリーフレットを作成し、認知症への理解を呼びかけるなどの活動を行っています。

参考:厚生労働省

〇厚生労働省のHPはこちら

 

近所の図書館では「認知症月間」として、特集コーナーが設置されていました。

その中から2冊をご紹介します。

 

介護する側「認知症がやってきた!~ママリンとおひとりさまの私の12年」


認知症がやってきた! ママリンとおひとりさまの私の12年 [ 酒井 章子 ]

認知症の母を、悠々自適に一人暮らしをしていた娘が急に同居して介護することになった12年間をつづったお話し。

「ママリン」とは母親のことだが、外国人ではありません。介護するうちに今までの母とは別人格になっていく中で、これまでの「ママ」ではない、と自分を納得させるためにもあえて違う名前で呼んでいます。

認知症について医療の面からのお話しではなく作者の体験記が語られています。

 

内容はとっても大変な日常なのに、読み手にわかりやすくおもしろい文章で書かれているので飽きさせません。

 

目次にも表れています。

●第1章 認知症初期、とりつくろいやその場その時のウソに騙された「カモ時代」

●第3章 こいつはもう人間じゃない、モンスターと戦う「猛獣使い時代」

 

認知症を看るにあたり、ストレスなく楽しく暮らせば止められるかもと希望を持っていたが現実は難しく、医療では治せないことを知ります。

 

毎日の家出、徘徊、暴言…出口の見えない介護

 

そこで作者は10年という期間を定めます。

作者の生い立ちから10年と決めるんですが、この期間を決めたことで出口の見えないトンネルに光を見つけることになります。

先が見えない、予測が立たない、終わりが見えない状況がどれほど人を不安にし、怖れさせるか。その状況が他者によってもたらされ、自分の力ではどうにもならない場合、その相手の背中に弓矢を浴びせたくなることを・・・。だから、どんな状況でも、自分で決めた自分の掟に従うことはとても重要である。

本書より

自分の存在意義を見出すために、自分で決めたルールに従って生活していくことの大切さを伝えた一文です。

 

100人の認知症の方がいれば100通りの症状があるといわれています。だからマニュアルが役にたたないのです。

私のまわりには現在認知症の方はいませんが、私50歳、母74歳。

いつ起こってもおかしくない状況です。

そんな中でこの1冊に出会えたことは、こころの拠りどころとなりました。

 

わたしのようにこれから認知症と向き合う人も、今向き合っている人も、ぜひ読んでいただきたい、そんな1冊です。

 

介護される側「認知症の私は記憶より記録」


認知症の私は「記憶より記録」 [ 大城勝史 ]

 

認知症になった本人の声を本にしたものです。

作者はブログを開設していてそちらにも日々の苦悩がつづられています。

〇作者「大城勝史さん」のブログはこちら

 

30代前半から「人の顔と名前が覚えにくい」「方向音痴」などの症状を感じていたというものの、ストレスや疲れからだと思っていました。

「若年性アルツハイマー」と診断される40歳までの苦悩とその後の生活が語られています。

現在も仕事を続けながら、ブログ更新、講演会活動、本の執筆と精力的に活動されています。

 

まさかこの若さで自分が認知症になるはずはない、なりたくない、違う脳の病気だ

 

その思いがひしひしと伝わります。

結婚されていて、3人の女の子の父親である作者の心の葛藤が伝わります。

 

さっきまで話していた同僚の顔が思い出せない

トイレに行った後、戻ろうとしたが席が分からない

電話で聞いたことをメモにとろうとするが、電話で内容を聞くこととメモすることの2つを同時にできない

 

その時の状況・対処法・そして気持ちが手にとるように伝わります。

 

もっとも衝撃だったのが、原付バイクを処分したところでした。

作者は車が好きで、車の販売業社に就職し営業として頑張っていました。

病気が治ったらいつか乗れると思い、保険料だけは払い続けていたバイク。しかし運転は難しいと判断し処分します。

 

原付を処分……。これでいい……これで良かった……月々の保険代もバカにならない。自宅に帰ってくると、涙が……。もう一生、運転が出来ない……車屋で働いていたのに運転できない。

本書より

 

しかし今作者は会社の理解もあり多くの方に支えられ、洗車担当として車にかかわる仕事に就いています。

 

作者は、認知症のイメージ、そこに至るまでの状況、社会との関わりについて理解してほしいと思い、本や講演会活動を行っています。

記憶が1日しか持たない作者にとってこれは至難の業なんですが、自分がすることで、多くの認知症当事者や支える家族に理解と勇気を持ってほしいと考えています。

 

いまや認知症は高齢者だけがなるものではありません。

見た目には健常者と変わりないため周りから理解されにくく、誤解を招く行動もたくさんあります。

わたしもそんな1人でした。

しかしこちらの本を読んで当事者の心の声を聞いたような気がします。

 

さいごに

花束 ピンク 手

認知症に対して、ただただマイナスなイメージしかもっていませんでした。

誰でもなる病気とわかっていながら、どこか自分は大丈夫と思ったり、

親が認知症になったらどうしようと不安ばかりが頭をよぎったり。

 

今回「介護する側」と「される側」の2冊を読んだことで、少し認知症への理解が深まりました。

 

難しい医療情報誌ではなく、こんな体験記から認知症を知ることで、より実感としてこころに残りました。

 

よろしかったら手にとってみてくださいね。


認知症がやってきた! ママリンとおひとりさまの私の12年 [ 酒井 章子 ]


認知症の私は「記憶より記録」 [ 大城勝史 ]

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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